都市ガスが選べる「ガスの自由化」について
ガス(都市ガス)は2017年の4月から自由化が解禁されました。この解禁を「ご家庭向けの都市ガスの自由化」といいます。
なぜ、家庭向けのガス自由化に至ったかというと、当時、日本は世界的な水準から見てガス代や電気代が高い傾向にありました。
その電気・ガス料金を世界と比較して遜色ないレベルにまで引き下げることを目標に、経済産業省が音頭をとり、自由化が進められる運びとなりました。
ガスの小売を自由化することでガスの販売を行う業者の増加により競争が活発化し、料金面やサービスなどで差をつける事業者が増えることで家庭のガス代を安くすることに繋がりました。
ちなみにプロパンガスは都市ガス以前に自由化されており、電気も2016年の4月より小売全面自由化が解禁されて、2023年現在では700社を超える新電力会社が参入しています。
ガスの品質や安定背は?都市ガスの自由化によって変わること、変わらないこと
ガスの自由化以後には、自由化以前から変わったこともあれば、変わらないこともあります。それぞれについて以下の表にまとめました。変わったこと | 変わらないこと |
自由にガス会社を選べるようになった | ガスを送るガス管 |
豊富な料金プランやサービスを比較できるようになった | ガスの品質・安定性 |
ガス機器の点検は契約先のガス会社が行う | ガス管の点検などの保安管理・緊急対応 |
ガスの自由化により自由に都市ガスを選べるようになった
ガス自由化の最も大きな変更点といえば、これまで東京ガスや大阪ガスといった地域の都市ガス会社からしかガスを購入できなかった消費者が、対応エリアであれば自由にガス会社を選べるようになったことです。さらに、自由化によって参入してきた事業者はもちろん、既存の大手ガス会社含めて多様な料金プランが生まれ、料金面以外でもさまざまなサービスや特典が用意されています。
この「消費者の選択肢が大幅に増えた」点も、ガス自由化によって変わった大きなポイントだといえるでしょう。
また、家にある給湯器やガスコンロなどのガス機器の点検は、契約しているガス会社が行うようになったのも変更点のひとつです。
ガスが自由化しても品質や安定性は変わらない
自由化以後でも変わらない点としては、「ガスを送るガス管」「ガスの品質・安定性」「ガス管の点検などの保安管理・緊急対応」が挙げられます。東京ガスなどの地域ガス会社と契約しても、新しく参入したガス会社と契約したとしても、ガス供給の安定性や品質は変わらないということです。
なぜかというと、送るガス導管は、今までどおり同じものを使いますので、ガス導管を新たに敷設することは基本的にないからです。
さらに、ガス導管の管理や点検などは、自由化後も東京ガスなど国に認可されたガス会社が担当しています。そのため供給の安定性も変わりません。
ちなみに、ガス管やメーター、ガス栓などの点検・管理・緊急時の対応も、すべて国に認可されたガス会社が取り扱います。
ガス自由化後の都市ガスの選び方
そのなかで、自分にあったガス会社を選ぶためには以下の4項目を確認しましょう。
- ①料金プラン
- ②対応エリア
- ③キャンペーンやサービス・特典
- ④セット契約
また対応エリアに居住していないと契約ができませんので、必ずチェックしておきましょう。
各項目を、以下で詳しく解説していきます。
料金プランはガス代の仕組みを知れば解りやすくなる
料金プランは、選び方の中でも最も注目するべき項目です。先ほど解説したとおり、ガス料金は「基本料金+単位料金×ガス使用量」で算出します。
ガス料金(ガス代)は、「基本料金+単位料金×ガス使用量」で求めることができます。単位料金にガスの使用量をかけたものを従量料金といいます。
各ガス会社は、この基本料金や従量料金を調整して価格に差をつけていますので、基本料金・従量料金を理解していればプランの比較がグッとラクになります。
実際に、どのようなプランがあるかというと、例えばレモンガスでは、東京ガスの一般契約料金と比較して、単位料金が5%ほど安くなります。
また関電ガスの「なっトク」プランですと、大阪ガスの一般料金に比べて基本料金・料金単価ともに低価格な設定となっています。
このように、料金プランを比較する際には「ガス代のどの項目が、どのくらい安くなるのか」を確認すれば、具体的に節約できる金額がシミュレーションできます。自分で計算しなくとも、本サイトのように条件を入力すれば各社一括でシミュレーションが可能なサービスもありますので、ぜひご活用ください。
ガス会社が対応しているエリアかどうかは必ず確認
ガス会社はそれぞれ対応しているエリアが決まっており、エリア外ですと契約することができません。そのため、ガス会社を比較する際には、自身の住所が対応エリア内かどうかは必ず確認しておきましょう。各社の対応エリア外、あるいは都市ガスの対応エリア外でプロパンガスなどを使用しているご家庭では、残念ながら契約することができません。ちなみに、都市ガスが利用できるエリアを調べる際には、日本ガス協会が提供しているガス事業者の検索ページを利用するのが便利です。
ガス料金の他にも、キャンペーンやサービス・特典をチェック
自由化以降に参入したガス会社も、既存の地域ガス会社も、価格面以外にさまざまなキャンペーンやサービス、特典付与などを行って他社と差をつけています。またキャッシュバックなどのキャンペーンを行っている事業者もあります。ただ、キャッシュバックは一定の期間契約を続けるなど、適用条件がある場合がほとんどですので、条件は必ず確認しておきましょう。キャッシュバックの形態も、月々のガス料金からキャッシュバック金額を割り引くなど、現金払いでないケースもあります。
ガス会社を選ぶときには、料金面だけではなく、各種キャンペーンや特典などを上手に利用すれば、よりお得になります。
電気だけじゃない。さまざまなセット契約で安い
「ガス自由化のメリットは、料金面の安さや選択肢の幅広さ」の項目でも少し触れましたが、ガスと電気をセットで契約することにより、双方の料金が割引されるような「セット契約」も、抑えておきたいポイントのひとつです。このセット割りは電気以外にもあり、例えばレモンガスでは、ウォーターサーバーや光回線サービスとセットで契約することで、月々のガス料金が割引されるセット契約プランを提供しています。
このようなセット契約は、無理して契約する必要はありませんが、例えば「ちょうどウォーターサーバーを導入したかった」などの理由があれば、かなりお得になりますから、選択肢のひとつとして捉えておくとよいでしょう。